苦手な人のための数学勉強ガイド

データ活用の時代が到来し、統計学を中心とする「データ分析スキルとして数学力」が広く求められるようになっていますね。

そんな時代だからこそ

数学を勉強しないといけないけど、苦手意識があってどうしても手が出ない』

という悩みを抱えている方は意外と多いのではないでしょうか?

僕も以前はそうでした。数式を見るだけで頭から変な音が聞こえてくるレベル。

それでもあきらめずに試行錯誤を続け、国立の理系大学院で主席を取るまでになれました。

この記事では、そんな僕だからこそわかる、数学ができない原因と効果的な勉強法を紹介していきたいと思います。

 

数学は何を学んでいるのか?

数学が苦手な人は「数学とはいったい何なのか」がわかっていないことがほとんど。

ワケがわからないものを学び続けるのは難しいので、苦手になるのは仕方がないです。

なので数学がどのような学問なのか知ることは、得意になるために重要なステップなのです。

数学は自然の言葉

『数学は抽象的でイメージができない。』

苦手な人の多くはこう考えますが、これは大きな間違い。

というより「考え方の順序が逆」といったほうが正しいかな?

数学は「目には見えない自然の性質を数式という言葉で理解する」学問です。

僕はそう考えています。異論は認めます。

要するに「数学→イメージできない」ではなく「イメージできないもの→数学で理解」という考え方を持ってほしいのです。

そのように考えてみると、数学を学ぶ姿勢がきっと変わることでしょう。

 

宇宙は数学という言語で書かれている。

そしてその文字は三角形であり、円であり、その他の幾何学図形である。

これがなかったら、宇宙の言葉は人間にはひとことも理解できない。

これがなかったら、人は暗い迷路をたださまようばかりである。

<ガリレオ・ガリレイ >

 

 

数学の三つの能力

数学を学ぶ意味を理解してもらったところで、続いては数学に必要な能力について説明していきます。

勉強する際は、これらの能力を鍛える意識を持ちながら取り組んでみるとより成長が早いでしょう。

 

抽象力:性質をとらえる

先ほども言った通り、数学は「目に見えない性質」を数式としてとらえる学問です。

なので今考えたい対象の裏に成り立つ性質をイメージとしてとらえる抽象化能力が非常に重要。

数学力を上げるには、様々なパターンの問題を通してこの能力を身に着けていく必要があります。

ここで問題になるのが、そもそも「抽象化とは何なのか?」が腹落ちしていないと、これを意識することができない。

見える人にははっきり見えて、見えない人には全く見えない。これが抽象です。

『よくわかってない。』と思う人は以下の本が簡単にまとまっていてオススメです。

 

論理力:基礎的な部分とのつながりを意識

数学では、基礎的な部分とのつながりを意識する「論理力」が欠かせません。

土台となる概念の理解と、そこからのつながりを意識しなければ、理解は進まないからです。

例えば高校数学の分野なら、「集合と論理」の理解なしには「確率」をきちんと理解することができません。

よって必然的に数学には飛ばせる単元が存在しません。

教科書レベルの基礎的な部分からしっかり理解していくことが、最も近道となる勉強法です。

 

計算力:数式の動きに体を慣らす

「計算力」は数学を得意になるうえで核となる能力です。

というかこれなしには、得意になることはありません。

数学において計算力がないことは、ドリブルができないのにバスケの試合に出ているようなもんです。

いくらゴールまでの完璧な道筋が見えたところで、途中で絶対に阻まれます。

そしてドリブルと同様、計算力をつけるには紙の上で数式をいじくり回すしかありません。

 

 

数学は手を動かさないと始まらない

「計算力」の話にも通ずるのですが、数学は手を動かしてナンボの学問です。

「読んで理解しよう」なんて考えてはいけません。

教科書に出てくる定義・定理・証明はすべて書き写しながら理解してほしいくらい。

これをめんどくさがって手を抜くほど苦手になっていきます。

ここでは苦手な人が意識してほしいポイントをまとめます。

 

算数的な部分

極端に数学が苦手な人は、そもそも算数が怪しい人が多い。

割合とか、通分とか、分数の掛け算とか、約分とか、2桁×2桁の掛け算とか。

算数の部分にメモリを使っていると、数学の思考力が妨げられます。

不安を感じる人はその部分をトレーニングし直すのもいいでしょう。

5年生までにマスターする 山本塾の計算ドリル

 

「解ける・わかる」の基準を高く持つ

式変形などの単純計算の要素が強い部分にありがちなのが、解答を見るだけで納得してしまうこと。

つまり『そうやって変形するのね、はいはい。』みたいに流しがちになってしまうことです。

これ実は、自分で計算するとできないことが多い。

計算面はとくに、解答隠して手を動かすことが重要。

すらすら解けるようになるまで繰り返すことが、めちゃくちゃ大事です。

 

基本問題は覚えるレベルで繰り返す

基本問題は、頭の中で答えまで出せるくらい繰り返し解きましょう。

これには脳を数学に慣れさせる効果があるからです。

正直、三角関数sinθや対数関数logを初見で、なんの引っ掛かりもなく受け入れられる人なんていません。

得意な人も、最初は定義を確認しながら、手を動かして基本問題を解き慣れていっただけ。

これなしには、得意の領域に入ることはできないのです。

 

 

苦手な人の数学勉強法まとめ

今回は数学が苦手な人に向けて「その原因、勉強の際に意識するべきこと」をまとめてきました。

まとめると、数学を得意になるために大切なことは次の二つです。

  • 脳が数式の挙動になれるまで手を動かす
  • 定義の確認から始め、基礎的部分から順に積み上げる

ぜひあなたの数学の勉強に役立てください。

 

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