『将来を見据えてプログラミングを学びたい。』
コンピューターに疎い化学系の世界でも、そう考える人が増えてきていますね。
ただプログラミングの利用が主流ではないからこそ『何から学べばいいのかわからない』という人も多いのではないでしょうか?
- 化学系・物理系が最初に学ぶべきプログラミング言語
- オススメのプログラミング言語の学び方・学習ツール
化学系が選ぶべきプログラミング言語

まずは、化学系のプログラミング初学者にオススメの、3つのプログラミング言語を紹介します。
オススメ言語①:Excel VBA

ほとんどの人は「Excel VBA」から学ぶことをオススメします。
Excel VBAをオススメする、主な理由は次の二つ。
- すぐ業務に生かせる
- 学習のハードルが低い
オススメ理由①:すぐ業務に生きる
オススメの理由①はほぼ全ての人の業務に、すぐに生かせるところです。
Excelがあれば誰でもVBAを使うことができ、他の言語を利用する際には避けられない「環境構築」を行う必要がありません。
要するにパッと学べば、サクッと生かせるのです。
またVBAはExcel・Outlook・TeamsなどのMicrosoftのアプリケーションの構成に共通した言語。
多くの企業はこれらをまとめて導入しているので、現在の業務の効率化に直結できる可能性が高いのです。
オススメの理由②:学習のハードルが低い
二つ目の理由は、学習ハードルの低さです。
VBAは活用できる分かりやすい参考書、動画教材、セミナーなどが豊富です。
というのもVBAの利用者は非エンジニアがメインで、理系だけでなく事務系の人も多く利用します。
需要が多くなれば教える人が増えるのも必然で、自分に合った学習教材が見つけやすいのです。
具体的な学習ロードマップ・オススメ教材は以下の記事でまとめたので、参考にしてください。
こんにちは、ツクダンです! 今回は独学3カ月でExcelVBAを実務レベルまで引き上げた具体的な学習プランを紹介します! 『ExcelVBAを学習したいけど、何から始めたらいいか分からない』 『金銭的にプログラ[…]
まずはExcelを覚える
VBAを学習する前に、サクッとExcelの動作を一通り覚えておきましょう。
その理由は「Excelの何かしら操作を自動化する」ためにVBAを活用するから。
つまりExcel自体の動きを把握していないと、命令文としてのプログラムを書くことができません。
オススメのExcel学習教材を載せておくので、Excelの基本操作を学んでおきましょう。
>> 【有料教材】ハイパフォーマンス・エクセルスキル完全マスター講座
オススメ言語②:Python

『もっと高度にプログラミングを応用したい』という方はPythonを学びましょう。
理由はシンプルでPythonが数学・統計的処理を得意とし、また機械学習に特化している言語だから。
計算科学分野への応用
化学分野での数学的処理と言われてまず思い浮かぶのは、計算科学分野でしょう。
Pythonは計算科学分野で実用的で分かりやすいコード書くための言語として推奨されています。
マテリアルズ・インフォマティクス:材料分野への機械学習の応用
より工業的な応用を目指すなら、「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」というキーワードを覚えておきましょう。
マテリアルズ・インフォティクス とは、統計解析などを利用して実験データや論文から素材の分子構造や製造方法を予測する取り組み。
機械学習の発展的な分野であり、PythonやRが中心の言語として使われています。
詳しく知りたい人は、明治大学の金子弘昌先生の書籍が分かりやすいのでオススメ。
VBAで肩慣らしがオススメ
ただ個人的には、まずは軽い自動化できるレベルにExcel VBAを学んでからPythonに着手して欲しいと考えています。
なぜならVBAとは異なり、業務にすぐPythonを生かすのは難しいからです。
ただでさえハードルの高い分野なのに、数年は業務に全く生かせないとなれば、継続的に学習する意欲が失せてしまいます。
Pythonを学びたいと考えている場合でも、ウォーミングアップとして2,3カ月はVBAを学習してみてください。
こんにちは、ツクダンです! 今回は独学3カ月でExcelVBAを実務レベルまで引き上げた具体的な学習プランを紹介します! 『ExcelVBAを学習したいけど、何から始めたらいいか分からない』 『金銭的にプログラ[…]
オススメ言語③:R

Pythonと同じ理由から、Rを学ぶこともおすすめです。
RはPythonと同様、機械学習に使われる言語であるためマテリアルズ・インフォマティクスにも応用されています。
『PythonとRのどちらがいいの?』という疑問は以下の動画を見てもらうのが良いと思います。
個人的にはPythonが良いと思いますが、自分の目的に合った方を選びましょう。
化学系のプログラミング学習ロードマップ・ツール

つづいてPython学習を例に、化学系のプログラミング学習ロードマップ、オススメ学習ツールを紹介していきます。
化学系プログラミング学習ロードマップ
化学系のPython学習の、ザックリとしたロードマップは以下の通りです。
Python基礎文法・ブラインドタッチ習得
↓
Pythonライブラリ(NumPy、Pandas、matplotlib)を習得
↓
データ分析の基本的な流れ・Python機械学習ライブラリ(scikit-learn)を習得
↓
微分積分・線形代数・統計学を学ぶ
↓
機械学習手法・深層学習手法を学ぶ
↓
実際の業務・分析コンペなどで実践に当たる
「プログラミングを化学に生かす」とはほとんどの場合、「データサイエンス技術を化学業界で発揮する」ということ。
つまりPythonを使ったデータサイエンス技術の習得ロードマップが、そのまま化学系のプログラミング学習ロードマップに直結します。
データサイエンスの学び方・学習ツールに関しては、以下の記事でまとめたので参考にしてください。
オススメのプログラミング学習ツール
化学系のプログラミング・データサイエンスに関して、オススメの学習ツールは以下の3つです。
- プログラミングスクール
- 予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」
- 書籍
プログラミングスクール
独学に自信がない人は、それなりに値段はしますがプログラミングスクールに通うのもありでしょう。
理由は次の二つ。
- Python習得が思いのほかハード
- 他に学ぶことが膨大に存在する
時間に余裕がある人はともかく、化学系は学生・社会人ともに、あまり時間の余裕は無い。
ある程度お金を払って強制力を作らないと、普通に挫折します。
予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」

入門的な数学の学習には、YouTubeチャンネル「予備校のノリで学ぶ 『大学の数学・物理』」がおすすめです。
無料なのがありえないほど、本当に分かりやすい。
黙ってチャンネル登録しましょう。
>> YouTubeチャンネル:予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」
書籍
とは言っても、学習が進んでいくと書籍での勉強が避けられません。
以下の記事にデータサイエンス・機械学習の関連のオススメ書籍をまとめてあるので、参考にしてみてください。
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化学系のプログラミング学習まとめ

今回は、化学系のプログラミング入門者に向けて、以下の2つのことをまとめました。
- 化学系が最初に学ぶべきプログラミング言語
- それぞれのプログラミング言語の学び方・学習ツール
何となくわかっていただけたかもしれませんが、プログラミングを化学分野に応用するためには膨大な学習時間と根気が必要です。
なので自分に合った目標を設定して、無理せず学習を進めて行ってください。